MRIの費用は保険適用でいくら?脳、腰、膝などで異なるの?

「MRI検査の費用っていくらですか?高いんでしょう?」

よく聞かれる質問です。

正直、買う側(医療機関)にとっても、1億円以上は軽く吹っ飛ぶ、異常に高い買い物になります……が、今回はそういう台所事情のお話ではなく患者側のお話です(笑)

放射線技師の中でも費用についてはさっぱりわからない、という者も多いですが、まあ、最低限は知っておかないと患者さんに説明できませんので……

MRI検査では、脳、腰、腹部、子宮、膝などなど様々な部位の撮影に対応しています。

今回の検査の費用はいくらくらいかかるんですか?と質問された際におおよその値だけでも知っておくと答えに困りませんので少し勉強しておきましょう。




診療報酬点数を基準に費用は決まります

費用はいろいろな要因で決定されますが、その基本となるのが、国が定めている診療報酬点数です。

MRIにかぎらず、病院・クリニックなど医療機関では、診療内容・項目に応じて診療報酬点数というものが定められています。1点につき10円です。

ですので、『◯◯をしたら200点』と定められている内容を実施したなら、それについて2000円の費用が発生するわけです。これが全額自己負担での費用となります。

これが保険適用になると1割負担なら200円、3割負担なら600円の負担になるわけです。

そして、診療報酬点数の項目中には、MRI検査についての項目が当然にあり、それに基づいて費用が決定されるわけです。

この費用は幾つかの事由により違いがでてきます。それぞれ説明していきます。

MRI装置の磁場強度(テスラ数)

検査に使用する装置のテスラ数によって費用が変わります。意外でしょうか?

  • 3テスラ
  • 1.5テスラ〜3テスラ
  • 1.5テスラ未満

この3つで別れています。細かい点数は診療報酬改定ごとに変わっていくのですが、ここでは、2017年9月現在での保険点数を以下に掲載しておきますので参考にしてください。

磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)(一連につき)

1 3テスラ以上の機器による場合

イ共同利用施設において行われる場合 1,620点
ロその他の場合 1,600点

2 1.5テスラ以上3テスラ未満の機器による場合  1,330点

3 1又は2以外の場合  900点

造影検査をするかどうか

造影剤の使用についても診療点数が定められており、規定通りの費用が発生します。

これには造影剤加算という項目がありまして、250点(2500円)加算されます。

造影剤は患者の要望で使用・不使用を決められるものではありませんので、造影を必要とするMRI検査を受ける場合は必ず造影検査の費用が掛かってきます。



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部位によって料金に差はあるの?

部位そのもの(頭部・体幹部など)での料金差は乳腺・心臓を除いてありません。ただし、例外として、乳腺MRIで100点心臓MRIで300点、通常MRIの診療点数に加算される特殊なMRI検査があります。

どちらかと言えば、部位によって造影検査の適用が多い、あるいは100%必ず造影剤を使用するといった事情が働くため、単純MRIではなく造影MRIとしての費用になります。

以下、部位ごとに単純MRIと造影MRIの頻度について説明します。

脳MRI

単純MRIが多いですが、腫瘍検査の場合は造影剤を利用します。

腰MRI

脳と同じくほぼ単純MRIです。これも腫瘍を疑う場合は造影剤を利用します。

腹部MRI

腹部は多数の臓器を内包しており、それゆえに何かと造影剤を使うことが比較的多いです。

子宮MRI

女性器の検査はMRI検査の本領を発揮する分野です。子宮頸がん、子宮体癌、子宮筋腫などを見るときに造影剤を利用します。

膝MRI

たまに造影剤を利用します。

乳腺MRI

主に乳がんを主眼とする検査で、検査手技に造影が組み込まれています。よって、100%造影検査の費用となります。

また、前述の通り乳腺MRI加算として通常の造影MRIに加えて100点(1000円)多くかかります。(保険適用の3割負担だと乳腺MRIというだけで通常より300円上がるわけです)

心臓MRI

造影剤を使わないケース・使うケースと、更に、造影剤は使わないが心臓の動きを緩やかにする薬を使用する、という独特のケースがあります。

まとめ

造影なしで保険適用の3割負担として、診察料を含めると大まかには、

  • 造影なし  8000円前後
  • 造影あり 11000円前後

このぐらいに収まるのではないかと思います。

(ただし、当たり前ですが他の検査等をしている場合は更に費用が掛かります。)

キッチリとした正確な費用はおそらくドクターですら分からないことですので、気になる方は受診する病院の医事課に質問して、最低額と一般的な金額、それ以上に掛かるケースなど、いくらぐらいの幅があるのかを聞いておくと良いでしょう。



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