「結局、エコーとマンモグラフィのどっちがいいの? 両方うけなきゃいけないの?」
今回は、エコーとマンモで迷われている方に説明いたします。
なお、エコーとマンモの違いや料金については関連記事として書いておりますので、そちらも併せてお読みいただけると良いかと思います。
【関連記事】マンモグラフィーとエコーの違い!長所と短所を理解しよう!
【関連記事】マンモグラフィーの料金まとめ!保険適用と検診ではどう違うの?
1.年齢による違い
エコーもマンモグラフィも医師が画像診断を行うわけですが、診断のしやすさ(=診断精度)には乳房における『乳腺』と『脂肪』の比率が大きく影響します。
- エコーは乳腺に強いが脂肪に弱い
- マンモは乳腺に弱いが脂肪に強い
という検査ごとの得意領域があるところ、
- 40歳未満は乳腺が発達して脂肪が少ない(20〜30代に掛けて最も発達します)
- 40代〜50代は乳腺と脂肪のバランスが取れている
- 60歳以上は乳腺が退縮して脂肪が多い
この条件が加わりまして、結果、
- 40歳未満はエコーがおすすめ
- 40代〜50代はエコー&マンモの両方がおすすめ
- 60歳以上はマンモがおすすめ
という結果になります。
両方がおすすめというのは、片側のほうが明らかに見易いというわけではないため、悪く言えば、両方しておいたほうが安心できる、という程度の意味で受け取って頂いても大丈夫です。
もちろん、40歳以上になりますのでまずは住民検診としてマンモグラフィーを受けられると良いでしょう。
なお、20代・30代で乳がん検査を受けたい場合も上記と同様に乳腺が発達しているためエコーが良いでしょう。
なお、検診ではない場合の料金については前のエントリーで書いたとおり全額自己負担となりますが、日常生活中に「なんだか胸にしこりがあるような……」「乳房が痛い……」などの症状がある場合、病院で保険受診した際に医師に相談して、医師の判断でエコーで検査をする場合でしたら保険が適用されることを、ここで改めて付記しておきます。
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2.石灰化と小腫瘤による違い
年齢とは別の尺度として、エコーとマンモのそれぞれの描出における得意分野の違いが挙げられます。
エコーはその仕組み上、微細な石灰化の検出能力が低いです。これに対してマンモグラフィーではしっかりと写ります。
逆に、小さな腫瘤についてはエコーのほうが得意分野となり、マンモでの検出は難しくなります。
よくあるのはエコーでの乳がん検査で石灰化が見つかり、マンモで精査というパターンです。
この点、医師によってはエコーで石灰化が見つかっても大抵は問題ないからマンモで精査なんていらないんだ!という意見の方も若干数いらっしゃいますが、患者の安心確保も診療の範疇であるという見地からすると、マンモで精査してバッチリ「大丈夫です!」と言うのがスジではないかと思います。
ですので、「エコーだけで大丈夫だと思いますが一応マンモもやっておきますか?」と医師に言われた場合は両方しておくことをオススメします。
3,検診はマンモ優勢
40歳以上で自治体が行っている乳がん検診の多くはマンモグラフィーのみだと思います。
もちろん、40歳以上ということなのでエコーと両方するのもいいと思いますが、スクリーニング(ふるいわけ検査)としての有用性はマンモのほうがまだまだ高いといえるでしょう。
まとめ
どっちがいいのか、それとも両方なのか、という考え方ではなく、年齢によってまずザックリと適用が変わってくるということですね。
また、上記の石灰化での精査の例もそうですが、エコーやマンモの片方を行ってから、結果を見て追加で精密検査としてもう片方の検査を行うことはよくある話です。
がんの鑑別はそのまま被験者の将来や生命を大きく作用することになりますので、やり過ぎというほどのことはないと個人的には考えております。
次に、石灰化や小腫瘤による得意分野については医師によっていろいろな見解があるところですが、こちらも、『迷って不安になるぐらいなら両方やりましょう^^』というのが個人的な見解です。
もし見落としたら取り返しがつかないことになりますので……
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