PET-CT検査で解る病気は?全ての癌に適応されるわけではない!

「PET-CT検査ってどんな病気が解るの? がんだけなの?」

PET-CT検査というと確かにがんが主に出てきます。

PET-CTの利用につき実に95%以上ががん診療に使われているとされます。

しかし、実は他の病気のためにも使われていたりします。(意外でしょう?)

今回はPET-CT検査の適応について、がんをメインとしつつ他の疾患についても簡単に触れてみます。

被曝量や費用については以下の記事にまとめてありますので参考にしてください。

 

 




PET-CT検査の適応(解る病気)

  • 早期胃癌を除く、悪性リンパ腫を含めた悪性腫瘍(がん)
  • 難治性部分てんかんで、なおかつ外科切除が必要な患者
  • 虚血性心疾患の心筋組織診断で、なおかつ他の検査では診断がつかない患者

これらが主にPET-CTの適応となるケースです。

冒頭に書いたとおり、基本的にPET-CTは主としてがんの発見・診断に使われていますが、上記の通り一部のてんかん虚血性心疾患でも利用されることがあります。

まずは主として使われるがんへの適応について書いていきます。
検診などでのがんの早期発見目的通常、検診は保険適用外ですので検査費用が全額自己負担となりますが、PET-CT検査は早期胃癌を除く早期がんについても発見能力が高くとても有用な検査となります。

PET-CTでは、一回の検査で頭部から大腿の付け根までを見ることが出来ます。

……とは言え、自費負担は検査単体で10万(造影すると12万)となりますので、なかなか気軽に試せるものではありませんね……^^;



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がん疑いで診断目的&がんと診断済みの場合

がんの疑いがあり、他の検査方法で診断が困難である場合や、がんと既に診断されており、詳細な部位・がんの広がり方を確認してからオペ・治療に入りたい、というケースです。

三次元的に病気の状態が解るため有用です。

これは保険適用となります。

がん治療後のフォローアップ

オペ後や放射線治療・抗がん剤などの効果測定します。

また、今後の治療・投薬の効果を予測するのにも使われます。

再発・転移の発見にも重要な役割を果たします。

どんな悪性腫瘍でも病気が解るの?

実はそうでもないです。

膀胱がんや腎臓がんなど、適応外となるがんがあります。

また、わざわざ書かれているとおり、早期胃癌にはそもそも適応されません。

これらのがんは、他の検査方法のほうがよい診断結果が得られます。

脳・心臓・腎臓・膀胱については、正常臓器にもともとFDGが多く集まる性質をもっており、病理評価が正確にできないケースがあるのです。

また、良性と悪性の鑑別についても完全にできるわけではありません。

あくまでも、他の検査をした上での組み合わせでPET-CTの適応によって総合的に見ないと確定できないがんがあります。

難治性部分てんかんや虚血性心疾患にどうして適応されるの?

てんかん焦点の細胞や虚血状態の心筋細胞では、正常細胞と比較してグルコースの取り込みが異なることが知られており、この性質を利用して、グルコース類似製剤であるFDG(フルオロデオキシグルコース……そう、グルコースなのです)の取り込みにより診断します。

まとめ

  • がんだけでなくてんかんや虚血性心疾患の治療にも役立つ
  • 主として様々な状態のがん診療に利用される
  • どんながんでも解るわけではない

以上になります。

この10年でずっと身近になったPET-CT。もし万が一、「癌になってしまった……」という時に、癌の種類によっては大きな力になってくれるはずです。

 



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