MRIの音がうるさいのはなぜ?音の原因やリズムの理由を解説!

MRI検査を受けたことがある方なら初めての時には大きな音が鳴って、「なんでこんなにうるさいの!?」と驚いた経験があるのではないでしょうか?

ベッドに寝かされて狭いトンネルの中に入れられ、検査が始まると約20分間前後、一定のリズムで鳴る「コンコン」とか「ガーガー」といった大きな音に耐えなければなりません。

その音量は100デシベルを超えていて、電車が走るガード下や道路工事現場に居るのと変わりません。

この大きな音にプラスして閉所恐怖症の方だと狭いトンネルの中での20分前後はかなりの苦痛を感じるでしょうね。

それではこのうるさい音の原因はなんなのか、大きな音はなぜ鳴るのか理由を説明します。



音がなる原因を理解するために「MRI装置の前提知識」を簡単に!

まず、少しだけ前提を確認しましょう。

MRIとはMagnetic Resonance Imagingの略で磁気共鳴画像と言う意味です。

トンネルのような機械の中で強い磁場を発生させ、磁力と電波の力で体の内部を映像化します。

CTのようにエックス線を使わないため放射線被ばくの心配はありません。

MRI装置は大きく2種類のタイプに分かれます。

トンネル型のタイプとオープン型のタイプですが、トンネル型のタイプは超電導磁気装置で、オープン型のタイプの多くは永久磁石装置です。

そして大きな音が鳴るのは超電導型装置なのですが、トンネルの周りに銅線がぐるぐる巻きになっていて、そこに電流を流す事でトンネル内部に強い磁界を作ります。

発生する磁力は非常に強力で強い物では3テスラという磁場強度を持ちます。

MRI装置は、トンネルの周りに巻かれている銅線を液体ヘリウムでー176度まで冷却する必要があります。

なぜそんなに低い温度で冷やす必要があるのでしょうか?

その理由は、この温度まで下げると導線の電気抵抗がゼロになるからです。

電気抵抗が無い状態で1度電流を流すと電流は永久に流れ続ける事が出来るので、永久に一定の磁場を作る事が可能になり発熱も抑えられます。

MRIの撮影室に入ると、「シュコ、シュコ」という音がしているはずです。

この音が、装置を冷やすためのポンプの音なんです。

もし余裕がある方は出入りの時に耳をすまして聞いてみてくださいね(苦笑)



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MRI検査でうるさい音が一定のリズムで鳴る原因は?

MRIの撮影中には常にRFパルスと呼ばれる電磁波の一種であるラジオ波の照射と磁界の変化が行われています。

磁界を変化させるために電磁石が3つ有り、それらの電磁石にそれぞれ流す電流の量を調整する事で場所ごとの磁力の強さを調整しています。この時に電磁石の銅線の部分(コイル)が振動するのが原因で、あの大きな音が発生します。

皆さんもフレミングの左手の法則を習ったと思いますが、地場の中では導体(銅線)に流れる電流に対して力が働きます。磁界の向きを逆にするために電流の流れる方向を逆にすると力がかかる方向も逆になります。電流を切ったり流したりを繰り返す時に電磁石の銅線(コイル)が振動して大きな音が発生します。

また、磁界のN局とS局を何度も入れ替えるので、その時にもコイルが振動して大きな音が発生するのです。

音が発生するリズムやタイミングは撮影内容により異なります。

T1強調像、T2強調像、FLAIR法、DWI、MRA、MRVなど色々な撮影法がるのですが、短い間隔の時や長い間隔などもあり、その音質もガーガーとかコンコンとかキンキンなど様々です。

以上、なぜ一定のリズムで音が出るのかは、コイルが振動するからであることがお分りいただけたでしょうか?

できるだけ分りやすく理由をお伝えしたつもりですが、ちょっと難しかったですかね(苦笑)



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音が苦手な方に朗報!音が小さい(ほとんどない)MRI装置も!

このように、MRIでは理論上音が発生する事は仕方がないと考えられましたが、最近では無音のMRIも販売されています。

あの大きなうるさい音を数十分聞かされる事から解放されるのでしたら患者の立場からしたら大歓迎ですね。

従来のMRIのように電圧がプラスとマイナスを行き来する交流電流のため撮影中に電流が変化するのですが、電流の変化が小さいほぼ直流の状態で撮影が可能なMRIが開発されたそうです。

検査時間が数分長くなったり、多少画質の劣化が認められるなどのマイナス要素はあるものの、音がないというのは検査を受ける側としてはそれを補えるくらいの利点がありますよね。

それなら、早くそのMRIを導入してほしい!と思う方も多いでしょうが、一般の病院への普及がまだまだ難しいと思われます。

その最大の原因は販売価格。

現在普及しているMRIでもかなり高価な装置ですが、無音のMRIの価格はそれら比べても高価なようです。

患者側からしたら望まれても病院としては1回の検査に対する保険点数が同じだと導入するには厳しいかもしれません。

まだまだ一部の病院にしか導入されていないようですが、今後技術面を向上させてどんどん普及していってほしいですね。



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