放射線技師の転職に年齢制限はあるの?メリットとデメリットについて

診療放射線技師の資格は国家資格で、現時点では更新等のシステムがありません。
これは、死ぬまで放射線技師の仕事を続けることが出来る、ということを意味します。

しかし、放射線技師は独立の出来ない職業です。診療所や病院で、医師の指示の元で人体に放射線を照射する資格なのです。どこか、だれかに雇われない限り、自力で仕事をすることが出来ません。

そのような資格でありますから、長く仕事を続けていく上で多くの放射線技師にとって悩みの種となる問題が、転職と年齢の関係です。

では、放射線技師の転職において、年齢はどのように影響してくるのでしょうか?




年齢不問ながら年齢が低いほど転職が楽なのはどの業界も同じ?

放射線技師の仕事は基本的には撮影業務です。この撮影業務は、それぞれの技師が若かりし頃に師事した上司・病院の流派に大きく依存します。基本的には似ているようで、撮影条件、撮影方法、体位など細かな手技が随分と異なります。このやり方は長い経験から身体に染み付くもので、おいそれとすぐ変えられるものではありません。

よって、年齢が進むと、転職活動において先方に『もう色(=撮影のクセ)がついているから、うちの色に染まりにくいかもしれない』というマイナス方向の推定が働きます。

反面、若いと『まだまだ自分の中でやり方が固まっていないから教育すればうちのやり方に合わせられるだろう』というプラス方向の推定が働きます。

年齢不問というのは嘘ではないのですが、求人応募の人材によって年齢での選別がかかった時に不利になることは、想像に難くないでしょう。

年齢が高いと一般的に管理職としてのスキルが前提となります

反面、転職で年齢がモノを言う時もあります。

これは一般企業を考えても同じことが言えるのですが、40代中盤辺りからの転職には多くの場合、管理者としてのスキルが求められます。例えば、放射線科内で若い技師を指導する立場や、会議に出席する、他部署との折衝を行うといった、本来の放射線技師の職務とは少し離れた分野の仕事が求められます。

放射線科の役職のトップは大抵『技師長』の肩書です。技師長は完全に管理職です。全ての業務について深い知識と理解が求められます。また、撮影業務におけるワークフローの作成や職員の指導・教育といった業務を行います。

技師長が不在の病院で、年齢がそれなりに高い方が求人で行く場合、雇う側としては当然に将来の技師長の候補として雇います。あるいは、初めからその旨を表明して求人を出すでしょう。

この場合、年齢が若いことは『この若さでは管理者は無理だろう』というマイナス方向の推定が働きます。(いや、これについては断定のレベルでしょう^^;)

なお、年齢に応じた撮影技術や知識、管理能力が備わっていることが前提であることは言うまでもないことです。

雇われて管理能力が欠けていると判断されたら容赦なくクビにされるでしょう^^;



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技師になる前の職業はあまり関係ないかも?

年齢の高い(ここでは、技師になった時の年齢が20代後半〜30代の場合を想定します)技師でよくあるのが、非医療業界で社会人を一通りやった上で技師学校に通い放射線技師になった、というケースです。

この場合、技師としての経験がないのに年齢は高いということになります。

このケースで就職活動や転職活動への影響としてまず考えられるのが、大病院への就職が難しくなる、ということでしょう。年功序列とはいかないまでも、年齢の幅をバラけることで新陳代謝を行っていきたいと考えるのが通常の大病院です。新人や20代前半〜中盤の新卒や新人と比較すると大きく不利です。

反面、技師が1〜2名のクリニックや中小病院ではそこまでマイナスには捉えられないかもしれません。逆に、社会人経験をある程度プラスに見てもらえる可能性もあります。

まとめ

以上のとおり、年齢は、高い・低いのそれぞれで転職におけるメリット・デメリットがあります。

転職においては、求人で求められている技師の役割・ポジションを意識した病院・クリニック選びが必要になります。

そして、経験則から概ね言えることは、高齢になるに連れて仕事量の穏やかなクリニックに移動する放射線技師は多いですよ、ということでしょう。

求人元は、若い技師が欲しいのか、中堅がほしいのか、管理職がほしいのか。

放射線技師は、自分の年齢と能力と応相談しつつの転職が求めらるのです。



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