「婦人科に行ったら子宮卵管造影を薦められたけどどんな検査なの?」
もしかすると、不妊治療絡みのテレビ特番やワイドショーなどで名前を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
その名の通り、子宮と卵管を造影するレントゲン検査なのですが、通常のレントゲン撮影とどう違うのでしょうか?
子宮卵管造影検査後はすぐ妊娠できるようになるって噂を聞いたけど本当なの?と疑問を持っている方も多いでしょう。
また、被曝の影響についても不安な方もいると思います。
今回は子宮卵管造影について説明します。
そもそも子宮卵管造影検査とは?
子宮の内部形態と卵管の通過性を調べるために、エックス線透視下で造影撮影を行う検査です。
不妊症の検査においては、初期におこなわれることが多いです。
月経終了後かつ排卵前に行います。(月経の『開始』から7〜9日ぐらい)
また、検査前に各種感染症がないかの血液検査を行います。
検査時間は通常、当日が15分ほどで造影して透視下で撮影します。後述しますが、造影剤が油性造影剤であれば翌日にレントゲンを一枚撮りますので二日連続で受診することになります。造影剤が水溶性である場合は、検査の30分後に1枚撮影するだけで、翌日の撮影は不要です。これは、吸収が早い水溶性造影剤のメリットでしょう。
後述しますが、この検査により一時的あるいは恒常的に妊娠率があがる(これがすぐ妊娠できるようになるという噂の根源)と言われています。
どんな造影剤を使うの?
油性造影剤と水溶性造影剤のどちらかを使います。
油性のほうが造影効果が高いですが、ごく稀に毛細血管内に入って閉塞の原因になることがあります。(本当にごく稀です)
この点については水溶性造影剤であれば心配ないようですが、その反面、造影効果が低いため、選ぶことが出来るなら個人的には油性を薦めたいところです。(検査後の妊娠率向上効果も油性のほうが高いそうです。)
また、油性造影剤の場合は検査翌日にレントゲンが必要になりますが、水溶性造影剤であれば当日で全ての撮影が終わるメリットも有ります。
ただ、主に産婦人科の医師が検査を行うため、場合によっては問題ないとの判断で検査のみを実施して後日の撮影がないこともあります。
この辺りは、検査を担当する医師や病院・施設によって考え方が異なると思いますので多少やり方が異なる部分です。
スポンサーリンク
検査でなにが分かるの?
不妊の原因を一つ一つ検討していく際に、初期に行われる検査です。以下のことがわかります。
- 子宮内部の形態
- 子宮や卵管の癒着(閉塞)
- ポリープ
- 筋腫
- 変形
卵管に癒着や閉塞等がある場合、造影剤注入時に痛みを感じることがあるようです。また、医師が造影剤を注入する際の力の入れ具合と患者の痛みの度合いから卵管閉塞の程度が推測できるそうです。
もし癒着など異常が見つかった場合は後日に腹腔鏡検査などにシフトします。
被曝量は?影響はないの?
子供を産むための臓器である子宮や卵管に放射線を当てて影響はないの?被曝量はどのくらいなの?と心配になる方も多いと思います。
まず被曝量は概ね 2.0mSv 前後と考えてよいでしょう。
子宮卵管造影はいわゆるエックス線透視下で行うため、通常の胸部や骨のレントゲン撮影のような単発ではなく連続的にエックス線を照射しますので、通常のレントゲン検査の中では比較的、被曝量の多い検査となります。
ここで、流産や奇形などのリスクは妊娠発覚〜妊娠初期(0〜8週)において50mSvの被曝が基準とされていることと、そもそも論ですが、子宮卵管造影は当たり前ですが妊婦には非適用ですので、これらの被曝リスクを心配する必要はないでしょう。
その他の内臓に対する被曝も同様です。
検査後にすぐ妊娠しても大丈夫?
問題がないどころか、むしろ検査後から数ヶ月は妊娠率が大きく向上すると言われています。
理由としては、何かしらの理由により狭窄・閉塞していた卵管が造影検査の際に掃除されて卵子の通りが良くなるから等と言われています。実際に妊娠率が高いようですので、おそらく真実なのでしょう。
不妊治療で子宮卵管造影を行った場合は、医師からも上記の説明があると思いますので、むしろ、すぐ妊娠することに期待してください^^
あと、検査後よりも気をつけておきたいのが検査前でしょうか。こちらも医師から事前に説明があるとは思いますが、子宮卵管造影検査時に実は妊娠(受精)していました、なんてことがないように月経開始〜検査終了までは必ず避妊するようにしてください。
これが本当に大事な注意事項ですので改めて確認しておきますね。
まとめ
以上、簡単ではありますが子宮卵管造影の説明でした。
不妊で悩んでいる方の助け舟となる可能性の高い子宮卵管造影検査。卵管造影検査後にすぐ妊娠したという嬉しい悲鳴を上げることができればいいですね。
スポンサーリンク
コメントを残す