「PET-CTは被曝量が多いのでは? どのくらいの時間がかかるの? 結果はすぐわかるの?」
従来のがん検査で結果がわかりづらいものについて威力を発揮するPET-CTですが、その原理上からも被曝量はそれなりの分量となります。
また、特殊な検査のためどのくらい時間がかかるのか、結果までの時間についても患者には分かりにくい検査の筆頭といえます。(そもそも、この検査の存在すら知らない人が多いぐらいです)
今回はPET-CTにおける被曝量と検査時間について書いてみます。
また、PET-CTでわかる病気や費用については別記事にまとめてありますのでこちらを参考にしてください。
PET-CTの被曝量は?
PET-CTは、PET検査とCT検査を同時に行う検査です。
この時、PET検査として使う放射性薬剤(18F-FDG)による体内からの被曝と、CT検査としての外部からの被曝を合算したものがPET-CTにおける被曝量と考えます。
PET検査としての被曝が4mSv
CT検査としての被曝が(体幹部で考えて)4〜8mSv
合計 8〜12mSV と考えると良いでしょう。
尚、被曝量についてサイトやブログで数字が大幅に異なっている事がありますが、個人的にはこの程度に収まると考えています。
昨今、普及している被曝低減性能を無視してCT被曝量を大きく見積もりすぎているのでしょうか……?
また、PET-CTによる被曝で発がんリスクが有るのでは?という旨のことを言う方もたまにいますが、そのようなことはありませんのでご安心ください。
そもそも、100mSvにすら満たない被曝で発がんリスクが増すなどというエビデンスは存在しません。
更に、国立がん研究センターは、その2倍の200mSvですら発がんリスクはないと言い切っています。
FDGってなに? どんな薬なの?
PET検査のために、FDG(フルオロデオキシグルコース)という薬を静脈注射します。
これはグルコース(ブドウ糖)に似た薬で、これに放射性同位元素(放射性フッ素)を標識したものを静脈注射します。
PET検査でもPET-CT検査でも、同じものを利用します。
放射性フッ素にもいろいろあるのですが、ここで使うフッ素18は半減期が2時間で天然には存在しないもので、検査時に院内で合成します。(18F-FDGとも表記されます)
いわゆる放射性薬剤を体内にダイレクトに注射するわけで、なかなか精神的に「怖い!」と思いがちな検査ですが、副作用はありませんのでご安心ください。
また、これに加えてCT検査としての造影剤を並行して使用することもあります。これは造影剤について記載した以前のエントリーを参照してください。
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検査時間はどのくらい?
- FDGを静脈注射します
- 1時間待ちます。FDGが全身に行き届きます。
- PET-CT検査を行います(30分ほど)
なので、注射〜検査終了までだけで1時間半は確実に掛かると思ってください。
この前後に説明や着替え、検査後の様子見で休憩といった時間が加わります。全体でどのくらい掛かるのかについては、スケジュールに余裕がない方は事前に検査機関に問い合わせておくと良いでしょう。
結果がわかるまではどのくらいかかるの?
他院・施設でのPET-CT検査の場合、多くのケースで1週間以内に本人郵送あるいは紹介元病院への結果郵送となります。
また、大病院では診察日と検査日と結果通達日が別れていることが多く、詳しくは検査を受ける施設、あるいは紹介元の病院へお問い合わせください。
基本的に、検査当日にそのまま完全な結果が聞けるケースは少ないと思います。当日の説明も、総合的な結果ではなく部分的な説明に留まることが多いでしょう。
まとめ
- 被曝線量→8〜12mSv
- 検査時間→静注〜安静〜検査終了までで1時間半(前後の待ち時間は除く)
- 結果まで→1週間以内が多い
以上です。
被曝に関しては問題になりませんので、安心して検査を受けてください。
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